- 熱性けいれんとは
- 熱性けいれんの症状
- 熱性けいれんの原因
- 熱性けいれんはてんかんを起こすこともある?
- 熱性けいれんの検査
- 熱性けいれんの治療
- 熱性けいれんの予防
- 熱性けいれんが起きたら一度受診しましょう
- 熱性けいれんのよくある質問
熱性けいれんとは
熱性けいれんとは、突然38℃を超える発熱が出るとともに、けいれん症状や意識障害を引き起こす病気です。日本では8%程の子どもが発症し、西洋では3%程が発症します。一般的に6か月~5歳の子どもに多く見られ、6歳を超えるとほとんど見られなくなります。ただし、熱性けいれん罹患者の3~5%はその後てんかんに移行するという報告もあります。
熱性けいれんの症状
熱性けいれんは、発熱の初期にけいれん症状を起こす特徴があります。けいれんは、突然手足を硬化させて突っ張る強直性けいれんや手足をぴくぴくさせる間代性けいれん、強直性から次第に間代性に移行する強直・間代性けいれんなどに分類されます。また、けいれんはからだ全体で起きることもあれば、一部で起きることもあります。全身から力が抜けて目の焦点が合わなくなったり、左右に偏ったりしながら意識がなくなる場合もあります。この場合は、チアノーゼによって皮膚が変色したり、嘔吐や失禁を伴ったりすることもあります。熱性けいれんは、多くの場合は5分程で自然に治まりますが、中には20~30分続くけいれん重積症の場合もあります。
- 手足を硬化させて突っ張っている
- からだがのけぞっている
- 手足がピクピクしている
- チアノーゼ
- 意識を失っている
- 嘔吐や失禁を伴っている
- 目の焦点が合わなかったり左右に偏ったりしている
など
熱性けいれんの原因
熱性けいれんはてんかんを起こすこともある?
一般的に熱性けいれんは6か月~5歳頃までに多く見られ、6歳を過ぎると発症率は低下します。ただし、中には 8~9歳になっても発症する場合もあります。また、熱性けいれんを起こした子どもの3~5%は、将来てんかんへと移行するという報告もあります。
将来的なてんかんを予見するには、けいれん重積や無熱性けいれんを認めた場合に、定期的な脳波検査を実施します。てんかん発症の可能性がある場合には、抗てんかん剤による薬物療法を行うことがあります。
熱性けいれんの検査
熱性けいれんは、発熱によって引き起こされる状態のため、熱性けいれんそのものを検査する必要はありません。一方で、けいれんを引き起こす病気には様々な種類があるため、確定診断するには、血液検査や CT 検査、心電図検査、髄液検査などを行い、他の病気の可能性を排除する必要があります。けいれんを引き起こす主な病気には、髄膜炎や脳炎、低血糖症、低カルシウム血症、先天性代謝異常症、循環器疾患などが挙げられます。
また、熱性けいれんと類似した症状であるてんかんとの鑑別には、脳波検査を行います。てんかんを発症すると、発作波という特徴的な脳波が検出されるため、脳波検査を行うことで熱性けいれんとの鑑別が可能となります。高度な検査を必要とする場合には、連携する医療機関をご紹介させていただきます。
熱性けいれんの治療
お子さまが熱性けいれんを起こした際には、唾液や嘔吐物によってのどがつまらないようにからだや顔を横に向けてください。熱性けいれんは、ほとんどの場合は5分程で自然に治りますが、けいれん症状を繰り返したり、意識が回復しなかったりする場合には、ためらわずに救急車を呼んでください。また、初めてけいれんを起こしたお子さまは、5分程で自然に症状が治まったとしても、必ず医療機関を受診しましょう。熱性けいれんの治療では、抗けいれん剤の注射や座薬、口腔用液を使用してけいれん状態を止めます。また、症状によっては解熱剤や酸素吸入を行うこともあります。
熱性けいれんが起きた時にやってはいけないこと
お子さまがけいれんを起こしたら、パニックにならずに冷静に対処することが大切です。まずはからだや顔を横に傾け、嘔吐物がのどにつまるのを防ぎましょう。口にタオルや箸などを入れてしまうと、嘔吐した際に窒息や肺炎を引き起こす恐れがあるため、行わないようにしましょう。
救急車を呼ぶタイミング
けいれんが5分以内に治まって会話が可能な場合には、ご自宅で様子を見ていただいて構いません。ただし、初めて熱性けいれんがあったお子さまは、髄膜炎や急性脳症など、熱性けいれん以外の重篤な病気による場合もありますので、必ず救急外来や医療機関を受診するようにしましょう。また、5分以上続いていたり、けいれんが治まった後に意識や呼吸に異常が見られたりする際には、ためらわずに救急車を呼んでください。救急車内では酸素吸入などの応急処置を行います。
熱性けいれんの予防
熱性けいれんは、発熱初期の37.5~38℃の段階でダイアップ座薬を使用することで予防することが可能です。特に過去15~20分以上の長いけいれん発作を起こしたことがある場合、短期間に発作が繰り返し起きた(1日に2回以上、半年で3回以上、1年で4回以上)場合には、予防のための投与を推奨しています。
熱性けいれんが起きたら一度受診しましょう
熱性けいれんは子どもによくある病気ですが、お子さまが初めてけいれんを起こした場合は、必ず救急外来や医療機関を受診しましょう。ほとんどの場合は5分程で自然に治まるため、その後自家用車やタクシーで医療機関を受診してください。ただし、お子さまが初めてけいれんを起こした場合、親御さまが冷静に行動するのが難しいこともあるかと思います。その際は救急車を呼びましょう。
熱性けいれんのよくある質問
熱性けいれんによる後遺症のリスクはありますか?
5分以内に自然に治まった場合は、後遺症のリスクはほとんどありません。ただし、5分以上続いた場合は、脳に影響を与える可能性があるため、医療機関での診察が必要です。
けいれんは何度も繰り返し起こりますか?
約70%のお子さまは、一度けいれんを起こした後は再発を起こしていないと報告されています。しかし、30%のお子さまはその後も再発を繰り返す可能性があります。
熱性けいれんを発症した後に予防接種はできますか?
熱性けいれんを起こした場合には、その後のさまざまな感染症に伴うけいれん再発を防止するためにワクチン接種を行っておくことを推奨しています。問診表にけいれんの既往に関する質問がありますが、医師と相談しできるだけ接種を行いましょう。ただし、ワクチン接種はお子さまの体質や特定の病気に罹患している場合には行えないこともあるため、接種が可能かどうかは医師が問診や検査を行った上で総合的に判断いたします。